NPO法人 IBDネットワーク

このサイトは潰瘍性大腸炎とクローン病の患者会の全国組織である、NPO法人IBDネットワークがNPO法人健康と病いの語りディペックスジャパンの許可を得て作成したものです

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潰瘍性大腸炎の語り

QS-1 プロフィール

九州地方在住 49歳 女性 潰瘍性大腸炎全大腸型 発症23歳看護師 仕事は非常勤 現在は夫と夫の両親との4人暮らし。

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 娘が小学校5年生の時に重症化しました。また重症化して、その時は本当にに緊急手術を覚悟しておいてくださいっていうふうに言われて入院して、潰瘍がひどくって、深い潰瘍がたくさんできてたんで、その時は相対的手術適用ですって言われて手術するかどうするかっていう話までその時はしました。で、ものすごく迷ったんですね、毎年のように入退院してたんで、一旦よくなっても、いい状態が長く続かなくて、それとあと、プレドニンを経口で飲めないんで、何て言うんですかね、治療を始めても、ものすごく時間がかかるんですね、回復するのに。だから長いこと痛みと戦わないといけなくて、重症化した時は近くの総合病院に入院して、今度はその当時白血球除去療法が結構一般的になってきてたんで、白血球除去療法をやろうということで入院したんですが、プレドニンなしで白血球除去療法オンリーでやったんで、痛みが取れるのにものすごく、病状自体が悪かったということもあるんですが、回復するのにすごく時間がかかって、その時は5回1クールだから1カ月かかるんですね治療に。週1回やるので。それを最初の1クールで痛みが取れなくてもう1クールすることになって・・
 長いこと本当に苦しんで、手術をどうするかという話になったんですね。その時先生と話したのが、やっぱすごく、手術が目の前になると、すごくこうやっぱり、怖かったのとどうしようかっていうの、こんな状態、体の状態で日常生活がまともに送れないっていうのがあったんで、すごく迷ったんですが、その時主治医の先生から、手術をした人は10人のうち一人はやっぱりしなかった方がいいと言う人もいるから、やっぱり個人差がすごくあるから、手術後の合併症を起こすこともあるし、術後にどんなことが起きても受け入れられるだけの覚悟ができてから手術したほうがいいよ、って言われて、それで、しないことに私は決めました。

KT11 プロフィール

診断時23歳、インタビュー時30歳(2015年12月)関東地方在住
専門医にかかり標準的治療は殆ど行ったが寛解に至らず、主治医からは手術も勧められているが、自分で納得ができず手術はしていない。最近始めた臨床試験で青黛という漢方が効いているようで現在は寛解を維持している。家族は父、母、祖母。

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 手術を、先生がQOLだとか大腸がんのリスクだとかで勧めてらしたんですけども、私が決断できなかった理由としては、QOLってすごく難しいなというふうに思いまして、「手術をすればQOLが良くなるよ」って言われても、何か自分にとってのQOLって何だろうって考えると、すぐには分からないけど、でも、お手洗いの回数が減ることだけではないなっていうふうに思いました。
 あと自分のこの潰瘍性大腸炎という症状をどう受け入れるかというのを今までずっと、どう受け入れてどう考えていくかというのをずっと考えてきたので、何かそれを切ってしまえば終わりだよねというのは、何か違うかなという考えもありました。大腸がんに関しては、大腸がんの予防の手術は本当に必要なのかなというのが自分としてはよく分からなくて、内視鏡の検査を年に最低でも1回していれば、大腸がんになるということはもちろん可能性としてはあるんですけども、がんが転移をしてしまうようなことは現実的にあり得るのかなと思うと、予防のために手術を受ける必要って本当にあるのかなというのが分からなくて、先生は「健康な人の腸とは違うので、がんがすごく見つけにくいので」ということはおっしゃっていたんですけども、ほんとに予防のために手術をする必要というのはないのかなというふうに考えたりしていました。

KT-5 プロフィール

 

診断時19歳、インタビュー時35歳(2012年3月) 関東地方在住。大学に入学した頃発病して内科治療を続けながら司法試験に挑戦し、苦労しながらも弁護士になった。その後も再燃、寛解を繰り返し、薬もだんだん効かなくなってきた時手術も検討したが、最近はなんとか寛解状態が続いている。独身の一人暮らし。

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 2回目の入院が終わって、イムランに切り替わった時でしたかね、あれは。イムランを飲んでペンタサも飲みつつ、それでも悪くなってきて、イムランを2錠に増やして、注腸をその、ペンタサの注腸やらステロイドの注腸やらを全部フルコースでやっても全然良くならなかったときがあったんですよね。
 あの時はやっぱりもう内服ではこれがもう限度ということを言われてましたので、やっぱり手術しなけりゃ良くならないということはあって、かなり悩んでましたね。で、まあ私患者会のほうにも入ってるわけですけれども、その方たちにもぼちぼち相談したりはしてまして、でもなかなか手術にまで踏み切れなくて、1回取っちゃうともう着けるわけにはいかないしと思って、悩んでるうちになんとなく良くなっちゃたんですよね。それでまあ、まあ良かった、手術しなくてよかったなと思ってますね。それからの良くなったり悪くなったりということも時々あるんですけれど、それでも薬を変えるわけでもなく、だましだまし生活してると、また戻ってくるという形で、何とか手術は考えたのはその1回で、その後は手術をしようと考えたことは今のところない状態です。

HK-1 プロフィール

診断時:29歳 インタビュー時:53歳(2012年11月)北海道地方在住。トイレが頻回になって出血もあり、痔かと思って病院に行ったら即入院となり、潰瘍性大腸炎(UC)と診断された。以来さまざまな内科治療を経験し、入院も通算7回を数えている。手術も考えたことがあるが、まだしていない。家族は妻と成人した子供が二人。

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Q:手術という方法が、ま、あの、あると思うんですが、選択肢があると思うんですが、それについて検討されたことっていうのはありますか。
 あ、あります。あの、何回目かの入院の時に、何回目かな、やはり基準薬と呼ばれるものや、基準治療、当時の基準治療と言われたものではなかなかうまくいかなくて、当時の新しい治療法、確かGCAPという、血球除去療法をやったときに、これが駄目だったら手術かもしれないということを自分でも思って、内科から外科へ紹介状を書いてもらって、手術になったらどういう処置になるのか、自分の場合について教えてほしいというふうに、聞きにいったことがあります。その時には外科の先生は、本気で手術する気がないんなら、来ないでほしいみたいな冗談も言われたんですけれども一応聞けました。
 それから、患者会を通じて、先生方の医療講演会を何回か企画したときに、外科の先生の講演をお願いしたとき、ま、その先生は非常にいい先生だと、手術の腕も確かだし、ということが分かったので、ま、自分の中では手術を受けるときには、この先生の病院に行こうということを決めて、ま、そのことはその先生にも伝えていました。ですから、今でも一応、ま、先生はキープできてるかなというふうに思っていますが、今の段階でいくと、えー、直近、昨年の入院の時に、今でいう生物製剤を使い始めたんですけども、確率6割それで良くならなかったら手術だねというふうに、言われたこともありますので、手術というのはどこかに意識していました。あの、手術も治療法の一つだと、昔は手術は最後の手段だと言われていて、今は選択肢の一つだと、手術をして再発の恐怖とか、ま、ある重たい治療、負担感のある治療をやっているときには、手術した方がこれから逃れられるんだろうということは、分かっていますけれども、今で行くと、じゃ、あの、今一定期間入院して手術をする、そのてんびんをかけたときに、まだ、あの、てんびんかけるほど手術を早急にやろうということでもないなということですね。

CH-1 プロフィール

中国地方在住。長年にわたり内科治療を受けながら会社の仕事も続けている。ステロイドの副作用もでているが、まだ手術までには至っていない。患者会の仕事も精力的に行っている。家族構成は妻と二人暮らし。

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 入院時時点で、あの、外科に送られるということはありませんでした。それで、まぁ、徐々に、あの、寛解になっていって、まぁ、普通の、通院生活してる時に、それで通院生活してると、やっぱり、主治医も、私が、あの、普通便でですね、1日1回の排便で、本当に、普通の暮らしと言うんですか。健常の人と同じ様な暮らしをしているというのは理解していただいてたんですけど、こういった状態だったら、ちょっと手術は勧めることができないよね、ということを、まぁ、私も言いますし、主治医も、うん、そうだよねという風に言っていただいておりましたんで、やはり寛解期に決断するのはなかなか難しいねと。
 当然、あの、手術の相対的適応というのは、一応、目安として、1万ミリまぁ、10グラムですか…というのは目安ではあるんですけど、それを超えているからというのは、あくまでも何かよっぽどのことがないとですね、あのー、難しいのかなと。それで、まぁ、絶対的適応であればですね、例えば、あの、毎年、大腸の検査を受けているんですけど、その時に、例えば、前ガン病変とかですね、そういったものが見つかれば、当然、全摘というのはもう待ったなしで決断できるんですけど。えーと、幸いにも、今現在ではですね、そういった異常というのも見つかっておりませんので、