NPO法人 IBDネットワーク

このサイトは潰瘍性大腸炎とクローン病の患者会の全国組織である、NPO法人IBDネットワークがNPO法人健康と病いの語りディペックスジャパンの許可を得て作成したものです

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潰瘍性大腸炎の語り

QS-3 プロフィール

診断時28歳、インタビュー時51歳(2012年7月)九州地方在住。寛解と再燃を繰り返しながら、3回の入院を含め長年にわたる内科治療をしている。潰瘍性大腸炎そのものでは、発病したときは全大腸炎型でかなり重症だったが、その後はそれほど重症になったことはない。しかし合併症としての関節炎や免疫抑制剤の副作用としての歯周炎などがひどい。職業は獣医師。独身。

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 (入院は)今から3回とも10年以上前なのでステロイドと後は最初はサラゾピリンですねその後にペンタサに変わったくらいで、後は生菌剤、乳酸菌製剤ですね、使っているという形と、あと食事療法ですね。だからそんなに3回とも昔は変わっていない。ほとんどが入院が3回であとは在宅で通院しながら内服治療っていうのがメインですね。今はレミケードもあるので病院での点滴にはなりますけど。
Q:じゃあ20年近く入院しなくて通院でされてあったということなんですけれども、その間身体の状態とか治療が変わってきたその変遷あたりをどうしてそういうふうに変わってきたのかっていうのを少し話していただけますか。
 変遷っていうか昔は変わったっていうのは、薬が昔はそれしかなかった、サラゾピリンからペンタサに変わったというのが大きな変革でしたけど、その後そんなに大きな変わりはなかったですね。で後はえーと入院した時に関節病変はもう出てたんですけれど、その時は膝だけだったんですけれど、5-6年前から全身の関節炎、関節痛がでるようになって、それから免疫抑制剤を使うようになったというのが大きな変わりですね。
 それとあとえーと、ここ1-2年のレミケードですね。レミケードが使えるようになったというのは大きなことですね。あとさっき言いましたサラゾピリンからペンタサ、今はアサコールですか、それにも変わったというのは大きいので、何で変わったかと言ったら薬の開発がされたからっていうのが正直なところですね。
Q:逆に症状が悪くなったからレミケードが始まったというのは違うのですか。
 でも悪くなったとも言えますね。関節炎が全身に出てきたんで。その前はさっき言いましたように普通の免疫抑制剤、えーとあれはなんというか、臓器移植か、臓器移植に使う免疫抑制剤を免疫を抑えるために使っているっていう形で、それからレミケードに変わって、それからは非常によくなりましたね。

KT-13 プロフィール

診断時32歳、インタビュー時42歳(2016年5月)女性 関東地方在住 内科治療をひと通り行ったが改善せず、手術をするなら今しかないと思い手術を決断した。術後は良好。ご主人と小学生の子供と三人家族。

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 いろんな検査をして4日目くらいにようやく潰瘍性大腸炎が軽傷だったのに重症の、直腸型でなくて全大腸型になっているよと。これは大変だと言われて。ステロイド治療は嫌だと言って拒んでたんですけど、先生が言うには、もうそんな嫌とか、嫌じゃないとか言ってる場合じゃないから、ステロイド治療をやるよと言われて、そこから1ヶ月ちょっと入院をして絶食しました。そのおかげで体調は元に戻ってきたんですけど、4ヶ月間会社の方は休職させてもらって復帰して、ゆるゆる仕事を始めていたらまた、再燃し始めてそこからはいろんな免疫抑制剤(注1)を投与されて、最初はタクロリムスという薬から始まって、タクロリムスは結構効いたんですけど、やってたらその副作用で腎臓の機能が落ちてるから、これはダメだと。じゃあロイケリンっていう薬をやろう。ロイケリンをやり始めたらこんどは脱毛とあとは、なんて言うんですかね、顔にブツブツのようなものがいっぱい出始めてこれもだめだからイムランに変えようとか。で、イムランに変えたら変えたで、次はそれも余り効いてないから、ヒュミラという注射をする免疫抑制剤(注2)があってそれをやろうといわれてそれとプラスアルファで白血球除去療法というLキャップというのとGキャップ(注3)っていうのを両方やったんですけど、どっちも効かずに、いろんなことを2年間くらいずっとやって最終的にどれも効かなかったので、内科の先生に「あなたはもう手術対象だよ」って言われました。
(注1)免疫抑制剤は免疫反応を抑えることにより炎症を抑制するものでイムラン、ロイケリン、プログラフなどがある。最近は「免疫調節剤」という言い方もする。
(注2)ヒュミラは免疫抑制剤ではなく「生物学的製剤」レミケードも
(注3)白血球除去療法、正しくは血球成分吸着・除去療法といいLキャップ、Gキャップなどの方法がある

KT-5 プロフィール

 

診断時19歳、インタビュー時35歳(2012年3月) 関東地方在住。大学に入学した頃発病して内科治療を続けながら司法試験に挑戦し、苦労しながらも弁護士になった。その後も再燃、寛解を繰り返し、薬もだんだん効かなくなってきた時手術も検討したが、最近はなんとか寛解状態が続いている。独身の一人暮らし。

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 しばらくはおさまってたんですけれど、またちょっと悪くなってきて、主治医がじゃあステロイドっていうのがありますので使ってみましょうと言われて、ステロイド、プレドニンでしたかね、プレドニンを飲んで、そしたらまた良くなった形でしたね。良くなって、しばらくそのプレドニンを飲んで良くなっている状態を維持してたんですけれど、またその後に下痢出血がでるようになって、これもうプレドニン結構な量だったんですけど、それでも良くならなかったので入院しようということ、ちなみに入院のときは最初の病院ではなくて近くの都立病院でしたかね、割と大きめのところに通い始めていましたので、そこで入院することになりました。
 それでまあ入院して三週間ぐらいで一応退院にはなったんですが、そこではステロイド、プレドニンの1日70ミリくらいの点滴の投与を、大量に投与して治療したという形でした。最初の1-2週間くらいで症状は治まったということでしたけれど、その時は最初の1週間、10日くらいは絶食で、一切何も食べずにしてたということでした。あれば結構辛いものでしたね。でまあ、真ん中、10日くらいから消化にいいもの低残さなものから食事を取り始めまして、最終的には三週間で退院できたという形ですね。その後も良くなったり悪くなったりで、ずっとここまで来てまして、入院は二回ほどしてまして、そうですね薬、結局もうステロイドでは効かないようになってきまして、注腸、お尻に入れて直接プレドニン、ステロイドを投与するものとか、後ペンタサを直接入れるものとかを色々試してみまして、その都立病院から、私引っ越しましたのでちょっと遠くなったので、大きな大学病院に通い始めたんですけれど、そこで色々注腸をやってもあまり効かないし、ステロイドを入れてもあまり効かなくなってきまして、イムランという免疫抑制剤を使い始めまして、これがなかなか私には相性が良かったみたいで、これ飲み始めてからちょっとおさまりましたかね。で、現在に至っているんですけれど、それでも良くなったり悪くなったりなんで、どの薬が一番完璧に効くというわけではなさそうですけどもね。

KT-3 プロフィール

 

診断時31歳、インタビュー時50歳(2012年3月)関東地方在住。長年にわたる内科治療と数回の入院のあと手術をし、現在は元気に小学校の教員をしている。家族構成は夫と娘、息子、夫の両親の6人家族

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 薬を飲み始めたのが8月の半ばで、その時はサラゾピリンという薬だったんですけれども、これはアレルギーが出る人がたまにいるから、最初は半分の量づつ飲んで、大丈夫だったら全量飲んでくださいって言われたんです。それで半量飲んでも何でもなかったので全部言われた通り飲んだのですが、発疹ができて、でもその発疹がその薬と結び付けられなくて、わからなくて、なんで蕁麻疹かなと思ったんですけど、そしたらある日突然高い熱がでて、なんだろうと、初めて40度の熱だったんですけど、近くの病院に、これじゃあということで入院したんです。理由はよくわからなくて、理由はよくわからなかったけれども取りあえずおさまったので退院してきたんです。それが8月の終わりだったんです。その後3週間くらいでまたすごい急に熱が出て、また同じ病院に行って、そしたら結局その薬のアレルギーだったということが分かって、こんな薬飲んじゃダメと言われたんですが、まあ仕方がないですから、お腹の方の先生にその話をしたら、じゃサラゾピリンは止めましょうということで、

KS-3 プロフィール

診断時:43歳 インタビュー時:54歳(2012年4月)関西地方在住。看護師。発症して11年、サラゾピリンやステロイドなど薬の副作用に悩まされることもあったが、経験から、ストレスや過労からくる再燃を避けるようにして、看護師の職も続けるように努力している。循環器系などの病気もあり、それと潰瘍性大腸炎とのコントロールに困るときもある。元気なときは、患者会活動など、人を支援する時間に使うようにしている。

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 1回目はサラゾピリンで膨疹が出たので、ペンタサという大体小腸で吸収されてしまうので潰瘍性大腸炎では効きが悪いと言われているのですけども、それに切り替えて、初めはそれとステロイド剤を併用していました。で、一応寛解の時も量を減らして最低4錠まで減らして、もうそろそろ止めようかなということを言っていたのですけども、6年ぶりに再燃をしましたのでペンタサを9錠まで増やしたのですけども、直腸型なので(薬の効果が)あまり奥までいかないので注腸液を併用しまして症状はだんだん落ち着いてきたのですけども、2,3年前にアサコールといってペンタサの外側にコーティングをして大腸まで薬効がいく薬が使えるようになりましたので、それを出してもらって、(これまで他の薬では)結構いろいろ副作用が出たので、初めはお試しで使って大丈夫だったので、今はアサコールを6錠とペンタサ注腸を寝る前に使っています。サラゾピリンはいろんな副作用が出まして、ペンタサの方が(副作用は)軽いのですけども効果が弱いので、アサコールにすると大腸までよく効いて、同じ量でも効きがよいのではないかと思うし、全身に対する副作用も、下の大腸の方だけに効くので他のところに対する作用も少ないのじゃないかと思いました。

KS-2 プロフィール

診断時:43歳 インタビュー時:51歳(2012年3月)関西地方在住。鉄鋼関係の溶接業を父から受け継ぎ、大企業も相手に職人技の溶接を一人で行い、家族6人を養っている。少年期より下痢など腸の調子が悪く、2004年に重症化、大学病院でようやく潰瘍性大腸炎の診断を受ける。主としてステロイドで治療を行い、昨年よりレミケードを使用、レミケードの効能も現在、減弱傾向にある。医師から手術や入院を勧められるが、仕事の関係から拒否している

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 またレミケードがすごく本当によく効いたので、レミケード打って、1,2日、1日でもだいぶよくなって2日後にはもう普通の状態まで戻るような効き方で、すごくよく効いています。それによってステロイドがやっとゼロなることができました。ステロイドがゼロになることによって骨もだんだん戻ってきて年齢なりの骨になってきて。血液量というか、出血は常にしていたので、血の量もだんだん戻ってきて、今は快調とまでは言わないですけども、
 レミケードやり出して今でもう、もうすぐ2年になるんですけども、今ちょっと8週保たなくなってきていますね。最初の頃は8週とかそんなもんはなく、食べるものもしっかり食べていたんですけども、今は7週ぐらいでまた下痢がひどくなったりとか。先日も久しぶりに大量出血が6回ほど続いて、「またヤバイな」と思って、ちょうどレミケードだったんで、レミケードを打つとまた出血が止まるという状態で。効く薬が僕の場合あるというのですごく助かっていますけども。いつまでこのレミケードが効くのか、それが不安な状態で。だんだんだんだんと周期が短くなってくると次はどうしようかと考えておりますけども、考えてるというか、何も考えていないんですけども、どうしようかという不安がよぎるわけですけども。

HR-1 プロフィール

診断時:27歳 インタビュー時:44歳(2012年11月)北陸地方在住。発病後8年間の内科治療の後2003年に大腸全摘手術を受けた。その2回目の手術の後腹膜炎を起こし緊急手術となり、同時に人工肛門を閉鎖した。しかしその後も体調不良が続き最終的に恒久的な人工肛門にした。さらに2011年1月には肛門に膿がたまり肛門摘出の手術も行った。今は落ち着いている。妻と二人暮らし。

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Q:その、内科治療的には、えー、何かいろんな治療方法が、ほかにはもう手術以外には、なかったということなんでしょうか。
 いえ、手術の前にいろんな新しい薬とか、こういう治療法も出たと、で、主なものがサラゾピリンの代わりに、ペンタサという薬がその時ちょうど出まして、飲んでみたまえと先生に言われて、あ、いい薬なら、これで体が治るんならと思って飲みましたけども、半年後に副作用が出ました。で、その副作用っていうのが、口の中が口内炎になって、体がすごいだるくなる、虚脱感みたいなそういうふうな体になって、なおかつ風邪の症状がずっと続いたんです。で、熱も上がって、で、最初は風邪の症状だと勝手に思い込んだので、普通の町医者に行って、風邪の薬を処方してもらってました。で、それが一カ月続いたんですけども、なかなか治らない。で、次の受診日の時に主治医に相談したところ「君、それはペンタサの副作用だ、すぐ中止します。」で、元のサラゾピリンに戻ったところ、口内炎がなくなり、取りあえず一安心と。

HK-1 プロフィール

診断時:29歳 インタビュー時:53歳(2012年11月)北海道地方在住。トイレが頻回になって出血もあり、痔かと思って病院に行ったら即入院となり、潰瘍性大腸炎(UC)と診断された。以来さまざまな内科治療を経験し、入院も通算7回を数えている。手術も考えたことがあるが、まだしていない。家族は妻と成人した子供が二人。

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Q:何回も入院されたということなんですけれども、その間のですね、その、内科治療をずっと続けてこられたということですけれども、その内科治療の、ま、どんな薬を飲んだとかあるいは、どういう治療をされてこられたとか、その辺のところちょっとお話しいただけますか。
 はい。最初は基本ステロイドでした。ステロイドの、大量投与で、まず寛解状態に持っていっていただいた。その後は、当時はサラゾピリンだったと思います、サラゾピリンを処方されて飲んでいました。ステロイドはその時で切れてると思います。ただ、あの、甘く見ていた部分もあって、かなり薬はサボっていました。で、定期的にもらいに行く分で、だいぶ余っていったという記憶はあります。
 サラゾピリンの後に、ペンタサが出てきたときにペンタサに切り替えた。だから通院してるときは基本ペンタサでやっていました。何回目かの入院の時に入院期間が3カ月以上になって、絶食状態だったんですけれども、職場に復職しないと仕事のバランスが取れないということがあって、絶食状態のまま退院したことがあります。ま、その時にエレンタールを処方してもらって、えー、エレンタールのみですね、食事は食べずにエレンタール1日8包、で、経鼻でそのうち5包落とすと、という生活を3カ月ぐらいしました。その後、経鼻はなくなったんですけれども、基本はエレンタールを飲むと、朝食事で夜軽い食事、で、エレンタールを3包ないし4包飲むっていう生活を、年の単位で続けていました。
Q:あの、経鼻というのは、鼻から管を入れるということですか。
 そうですね。あの、鼻から管を入れて、モーターで機械的に送ってもらうということです。あの、とても寒い所なので、あの、夜落としていると、朝方、その鼻から通っていく管の冷たさで、何度も目が覚めてしまったり、結構それは、寝不足になったなという記憶があります。