NPO法人 IBDネットワーク

このサイトは潰瘍性大腸炎とクローン病の患者会の全国組織である、NPO法人IBDネットワークがNPO法人健康と病いの語りディペックスジャパンの許可を得て作成したものです

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潰瘍性大腸炎の語り

KT-13 プロフィール

診断時60歳、インタビュー時89歳(2017年1月)男性 関東地方在住 発病から10年くらいは大変だったが、主治医の治療方針で、入院も手術もせず仕事を続けながら内科治療だけで寛解に至り、現在では完治したと思っている。現在は家内と二人暮らし。

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 Q.今奥様 の話がちょっとでましたけれども、病気になった時に奥様がどういうふうに対応してくれたとか、あるいはお子様との関係とかそのへんはなにかありますか。
A.そうですね、やはり家内は一生懸命対応してくれて、薬をお尻から入れるなんかにしても、最初はなかなか一人ではできないし、薬を、注腸薬剤を温めて適温にしてとか、その前にステロイドの注腸は昔はステロイドの塊をもらったやつを自分で砕いて粉にしてそれで注入してたんですね。それを一生懸命やってくれたりしましたですね。それから、かながわコロンに入会のきっかけというのは娘が丁度朝日新聞だったですか、広告を見つけてくれて、こういうのがあるよということで、かながわコロンを知ったということです。家族の支えというのは非常にありがたかったですね。
Q.じゃあ、その病気をしたことでなにか夫婦関係あるいは親子関係に悪影響がでたことはなかったですか。
A.逆みたいですね。いい影響というか、私も昔人間であんまり直接家内には感謝めいたことも言いませんけれど、むしろいい影響があったように思います。

KT-13 プロフィール

診断時60歳、インタビュー時89歳(2017年1月)男性 関東地方在住 発病から10年くらいは大変だったが、主治医の治療方針で、入院も手術もせず仕事を続けながら内科治療だけで寛解に至り、現在では完治したと思っている。現在は家内と二人暮らし。

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 Q.患者会に 入会される方ってたくさん色んな方がおられると思うんですけれど、患者本人ではなくてご家族の方が会員になっている方も多くいらっしゃいますよね。特に若い男性の場合ですね、母親が患者会に入っておられるという方が結構多いと思うんですけれど、そのへんで何か親御さん、患者の親御さんの対応というのはなにか感じられたことがありますか。
A.私自身の話なんですけれど、一時は家内がやっきになって一緒についてきてくれて、診察室にも一緒に入って、先生との受け答えがこの私が言う前に家内が言うようなことがあって、先生が「奥さんは診察室から出てください」みたいなこともありましたけれど、よくその主治医はそういう例を挙げておられましたけれど、何ですかね、そういうのは一番望ましくないということで、患者本人が自分の思いを先生と話すと、話し合うということが必要なんだということを言われましたね。

KT-13 プロフィール

診断時32歳、インタビュー時42歳(2016年5月)女性 関東地方在住 内科治療をひと通り行ったが改善せず、手術をするなら今しかないと思い手術を決断した。術後は良好。ご主人と小学生の子供と三人家族。

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Q:あとご主人が非常に協力的でいろいろやってくれたというお話なんですけど、その病気のことについて、手術を決断したときなど特にそうだと思うんですけど、どういうようなお話をされました。
 まず病気に関しては、自分がこんなふうになって申し訳ないっていう、良心の呵責っていうんですかね、なんかこう自分の中にあったのは事実で、なにも勿論できなくなってくるし、ただ、彼はそこらへんは淡々としていて「なったものはしょうがないじゃない」っていう一言を受けて、内科入院して彼の多分目標の一つに毎日見舞いに行くみたいなのが多分その時あって見舞いにだけは結構来てくれて、なので・・一度「こんな弱いお嫁さんいらないよね」って聞いたことがあって、そしたら「そんなこと思ってないよ」って言われて、「あなたはこどものお母さんでしょ」っていわれて「いらない家族はいないよ」って言われたのがちょっとこうジーンってきたのがありまして。
 あとは大腸手術するっていう話になったときも、周りが騒いでいるほど本人はあんまり騒いでなくてそれは今、今後こう自分の家を運営して行くじゃないですけど、「今大腸の手術って必要なことだよね」って言われて、「それに伴って失うものもあるとは思うけれどタイミングは今だよね」って言われたので、一緒に多分「どうしよう、どうしよう」ってなってたら大変悩んで決断できなかったと思うんですけど、そこは彼が結構あっさりポジティブに言ってくれたので決めれたところかなと思いました。

KT-9 プロフィール

診断時45歳、インタビュー時52歳(2013年2月16日)関東地方在住3年間の内科治療の後2009年に全摘手術をした。術後はほぼ順調で現在は便の回数も7回程度で安定している。家族は母親と妻と3人暮らし。

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 家族は、まず、家内は、えー、苦しんでる…もう、私を見ることによって、やはり、精神的には相当苦しんでいて。最終的には、それを見続けて胃潰瘍になってしまったんですが。(笑)それで、あとは、そうですね。そんな状況なのに、仕事をさせてるということに、何か、こう、後ろめたさを感じてるとよく言われますね。要するに、すごく具合が悪いのを見てるのに、えー、まぁ、自営業ということもあるので、仕事をさせないと成り立たないということに、すごく、こう、辛い思いをしてるとは言ってますね。それと、ステロネマとか、あの、あと、何でしたっけ…注腸のやつがありますね。あれをした時に、すごく痛みが出るんですけど、あれをやったあとに、痛んでる自分、痛がってる自分を見て、あの、どうしていいかわからないっていうことは言ってますね。
 あと、母親がですね、あの、まぁ、ずっと見守ってくれてる形だったんですが、県の便りを見て、そこで、あの、潰瘍性大腸炎の講演会があるということで、えー、東京のほうから有名な先生が来るということで、出席したらどうかって言われまして。自分はそんなところに行っても治らないと思ったんですが、一応、勧められたとおりに行きまして。そこで、その講師の先生から、えー、現在のIBDの内科の先生を紹介していただいて、その内科の先生のつながりで、まぁ、外科で手術ということで、まぁ、運命が飛躍的に変わったので。

KT-1 プロフィール

診断時49歳、インタビュー時59歳。関東地方在住。
劇症型だったため発病から1年後に全摘手術。術後1年は大変だったがその後は順調。仕事は事務職のサラリーマン。女房と子供が二人。

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Q:この病気になられたことで、ご家族との関係とかご家族がどのように受け止められたかとか、ちょっとお話いただければと思うんですけれども。
 そうですね。この病気は、なかなか周りから見てわからない病気だと思うんですね。また、痛いとか熱が出るとかっていうことではないので、たぶん周りの人はなかなか理解しづらいと思うんですね。私の場合も、うちの女房は専業主婦なので、退院してからしばらく家にずっと居たんですけれども、面倒見てくれたんですけれども、やっぱり、最初の頃は特に、私も何て表現したらいいかわからないですね。苦しいんだけども痛いっていうのとも違うんですね。すごい便意が常に24時間って言うか。起きてる間は常に便意を抱えて、ああ、トイレ行きたいんだけれども行っても出ないだろうなとか思いながら。そういう状況なんですね。だからそれをどうして欲しいの?っていうのが自分でもわからないわけです。どうしてもらったら、例えば、背中をさすってくれたら楽になるとか、頭冷やしてくれたら楽になるとか、そういうのがないんですね。ですから、自分でもどうして欲しいってなかなか言わない。言えないので、家族もどうしてあげたらいいのかわからない。でも見てると、とにかく苦しそうで辛そうなんだけども何にもしてあげられないっていうような状況が、特に最初の1~2ヶ月続いてまして。
 結局、会話がだんだん少なくなってしまう。たまにはやっぱり運動したほうがいいんじゃない?運動って言うか、外、散歩ぐらい行ったほうがいいんじゃない?とか言われて行くんですけれども、駄目なんですね。もう100メートルも行かないうちに戻って来てしまって、もう家にずっと閉じ籠もってる状況でしたから、会話もどんどん、どんどん少なくなる。その時に、女房がついにキレて、何か言いなさいと。(笑)何にも言わないんじゃわからないと。何かやって欲しいことがあったら言ってちょうだいと。私もその時に、ああ、そう言えば何も言わなかったなというのを感じて、それから色々話をするようになりました。

CH-2 プロフィール

診察時26歳、インタビュー時44歳(2013年1月)女性 中国地方在住。長年にわたり一通りの内科治療をしたが改善しなかったので2002年に手術をして大腸全摘した。直後は腹膜炎を起こして大変だったが、現在は元気に暮らしている。家族構成は夫と二人暮らし。

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Q:では、あの、えーと、手術後にご結婚されたっていうことで、パートナーの方とは、その病気だったり体調とかに関する、こう、あの、お互いの、こう、やり取りとかは、どんなことをお話されたりとかされますか。
 特に私のほうが調子が悪いとかってそんなに言うこともなく。(笑)で、まぁ、夫も潰瘍性大腸炎の患者なので、で、まぁ、その気持ちもわかるんで。ただ、私とはちょっとタイプが違うところがあるので、同じ病気でありながら、え?って思うこともありますけど。そこは、まぁ、何とかコミュニケーション取ってるのかどうなのかわかりませんけど、(笑)感覚でうまい具合にいってるのかなっていう。

CH-1 プロフィール

中国地方在住。長年にわたり内科治療を受けながら会社の仕事も続けている。ステロイドの副作用もでているが、まだ手術までには至っていない。患者会の仕事も精力的に行っている。家族構成は妻と二人暮らし。

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 両親、親なんですけど、やはり、あの、病気になってですね、発症した以降は、3、4年ごとに、まぁ、入院してるということについては、やはり、心痛めてるというのはやっぱりあったと思います。ただ、あの、私自身は、辛い時期、入院してる時があってですね。あの、ちょっときつく接するというのがある…あったんですけど、あのー、やはり、親にも心配かけてるというのはある…今でもあります。まぁ、当然、親子の関係ですので、心配をされるし、子どものほうはちょっと鬱陶しいなというとこもあるんですけど。
 あと、まぁ、女房なんですけど、実は、女房も潰瘍性大腸炎の患者なんでですね、どちらかというと、病気に対する理解というんですか。それはもう、あの、素人に話すようなことではありませんので、素人に、病気を1から10まで話すという必要はありませんので、ちょっとお腹が痛い、下血したというと、大体、もうピンときて、ちょっと食事を、ちょっと、何ですか、消化の良いものにしようかとか。そういったような、もう、すぐ感覚的に理解する…できるんでですね、そういった苦労は特にありません。