このサイトは潰瘍性大腸炎とクローン病の患者会の全国組織である、NPO法人IBDネットワークがNPO法人健康と病いの語りディペックスジャパンの許可を得て作成したものです
診断時60歳、インタビュー時89歳(2017年1月)男性 関東地方在住 発病から10年くらいは大変だったが、主治医の治療方針で、入院も手術もせず仕事を続けながら内科治療だけで寛解に至り、現在では完治したと思っている。現在は家内と二人暮らし。
xx先生が、何代目かの(研究班の)班長をされましたけれど、その先生が難病といっても潰瘍性大腸炎はそんなに特殊でなくて、要は生活習慣病だとおっしゃっております。どんな病気でも完全に治るということは無いんだから、一応普通の生活が、日常生活が送れればいいというふうに、割り切って対応したらいい、ということがどこかで発表されているのを見まして、それはいいなと思って私もその説に賛成してるというか。患者会で色々相談に乗ったりしていても、「完全に治らないと」という思いの人が結構多いんですね。ですから1日に4-5回ちょっと下痢があるというようなことがあっても、「日常生活ができると、何とかできる」ということであればいいんだと思いなさい、ということでお話をしているんですけど。みな完璧な健康体にというような思いを持つ方が多いんですけれど、そういう必要はないんじゃないかなと思いますね。
診断時60歳、インタビュー時89歳(2017年1月)男性 関東地方在住 発病から10年くらいは大変だったが、主治医の治療方針で、入院も手術もせず仕事を続けながら内科治療だけで寛解に至り、現在では完治したと思っている。現在は家内と二人暮らし。
Q.今、テニスとかされているというお話なんですけれど、ご病気で調子悪い時もやっておられたんですか。
A.そうです ね。テニスを本格的に始めたのは横浜に住んでからですので、約40年になりますけど、週2回くらいは必ず行くようにしておりました。私のストレス解消法ということで、仕事の面だとかいろんなことで精神的に疲れている時でも、1時間か2時間コートで汗を流すとスカットするということがありましたね。人間生活する上ではストレスというのは避けられないものですから、ですから精神的なストレスと、肉体的なストレスのバランスを取るというのがよかったのかなと思っています。後は呼吸法じゃないんですけれど、腹式呼吸というのが非常にいいということなので80の手習いということで、地域の方々と語り合ってコーラスクラブを、混声合唱団を作りまして、最初私一人で、男は私一人だけだったんですけれど、今は男性が9名と女性が24名ですか、33名の混声合唱団ができておりまして、緑区の芸術祭と称して毎年秋にはそこに参加したりしております。そういうことで、これは月2回2時間づつのレッスンというか先生に教わるんですけれど、要するにお腹から声を出すということで腹式呼吸というのが健康に非常にいいんではないかと。私は若い時から詩吟が好きだったものですから、詩吟もお腹から声を出すということがあったもんですから、比較的楽に入れましたけれど、今は一応テナーということで仲間と一緒にやっております。
診断時60歳、インタビュー時89歳(2017年1月)男性 関東地方在住 発病から10年くらいは大変だったが、主治医の治療方針で、入院も手術もせず仕事を続けながら内科治療だけで寛解に至り、現在では完治したと思っている。現在は家内と二人暮らし。
Q.今奥様 の話がちょっとでましたけれども、病気になった時に奥様がどういうふうに対応してくれたとか、あるいはお子様との関係とかそのへんはなにかありますか。
A.そうですね、やはり家内は一生懸命対応してくれて、薬をお尻から入れるなんかにしても、最初はなかなか一人ではできないし、薬を、注腸薬剤を温めて適温にしてとか、その前にステロイドの注腸は昔はステロイドの塊をもらったやつを自分で砕いて粉にしてそれで注入してたんですね。それを一生懸命やってくれたりしましたですね。それから、かながわコロンに入会のきっかけというのは娘が丁度朝日新聞だったですか、広告を見つけてくれて、こういうのがあるよということで、かながわコロンを知ったということです。家族の支えというのは非常にありがたかったですね。
Q.じゃあ、その病気をしたことでなにか夫婦関係あるいは親子関係に悪影響がでたことはなかったですか。
A.逆みたいですね。いい影響というか、私も昔人間であんまり直接家内には感謝めいたことも言いませんけれど、むしろいい影響があったように思います。
診断時60歳、インタビュー時89歳(2017年1月)男性 関東地方在住 発病から10年くらいは大変だったが、主治医の治療方針で、入院も手術もせず仕事を続けながら内科治療だけで寛解に至り、現在では完治したと思っている。現在は家内と二人暮らし。
Q.患者会に 入会される方ってたくさん色んな方がおられると思うんですけれど、患者本人ではなくてご家族の方が会員になっている方も多くいらっしゃいますよね。特に若い男性の場合ですね、母親が患者会に入っておられるという方が結構多いと思うんですけれど、そのへんで何か親御さん、患者の親御さんの対応というのはなにか感じられたことがありますか。
A.私自身の話なんですけれど、一時は家内がやっきになって一緒についてきてくれて、診察室にも一緒に入って、先生との受け答えがこの私が言う前に家内が言うようなことがあって、先生が「奥さんは診察室から出てください」みたいなこともありましたけれど、よくその主治医はそういう例を挙げておられましたけれど、何ですかね、そういうのは一番望ましくないということで、患者本人が自分の思いを先生と話すと、話し合うということが必要なんだということを言われましたね。
診断時60歳、インタビュー時89歳(2017年1月)男性 関東地方在住 発病から10年くらいは大変だったが、主治医の治療方針で、入院も手術もせず仕事を続けながら内科治療だけで寛解に至り、現在では完治したと思っている。現在は家内と二人暮らし。
Q.病気になられて患者会「かながわコロン」に入ってその後、会長を長くされたということなんですけれど、患者会の運営とかですねやってきて、よかったこと、大変だったこと、いろいろあると思うんですけれど、そのへんのお話をちょっと聞かせていただけますか。
A.私自身がそうだったんですけれど最初にかながわコロンに入会した当時は、当時の事務局の方に毎晩のように、毎回同じようなことを質問して助けられたんですけれど、私が会長になって自分の自宅が事務所替わりになって、専用の電話があったんですけれど、本当に毎晩のように同じ人から、またあくる日朝から夜からという繰り返しでいつも同じことを答えるような感じだったんですけれど、そういうことがありましたね。それから嫌になるようなこともありましたが、後で非常に感謝されて「助かりました」と言う事を言われてうれしかったというか、そういうことでしたね。
Q.そのほかには何かやっていて楽しかったとかそういうようなことってありますか。
A.結局人のお世話をするということは自分のためにもなるんで、よく役員同士でも話してたんですが、役員になると非常にメリットがあるなと、みんなの話が聞けるし、それに対して役員の中で突っ込んだ話ができるし、役員になるといいね、みたいな話をしたことがあります。
診断時60歳、インタビュー時89歳(2017年1月)男性 関東地方在住 発病から10年くらいは大変だったが、主治医の治療方針で、入院も手術もせず仕事を続けながら内科治療だけで寛解に至り、現在では完治したと思っている。現在は家内と二人暮らし。
それから肛門 科のほうではやはりある程度食事の制限なんかも言われたんですけれど、横浜市大のほうでは潰瘍性大腸炎に関しては、食事の制限というのは原則として無いんですということで、サプリメントとかそういったものに惑わされないでなるべく普通の食事から栄養を取って、ただでさえ出血とかあるわけだから普通の人以上に栄養をきちっと取らなきゃいけないということで、ほとんどいわゆる食事制限というのは無しできたというのが現在の私の寛解を維持して、もう私自分ではもう完治していると思っておりますし、現在の私があるものと思っています。
Q.食事は制 限はないよとお医者さんに言われてなんでも召し上がってたということなんですけれど、これを食べると調子悪いとか、調子が逆に良くなるとか、そういったような食べ物とかは特にありましたか。
A.そうですね、あんまりなかったですね。先生はとにかく調子さえよければ、なんでもいいですよということで、カキフライなんてものは私が好きだったので、「カキフライどうですか」って言ったら、「食べてみてだめなら止めればいいし、調子のいい時は美味しいと思ったら食べていいよ」と、あるいはアルコールに関しても多少出血している時でも、私はテニスをやっていたんですけれど、帰ってきてシャワーを浴びてビールが美味しいというんであれば飲んでもいいですよというようなことを先生は言ってくださって、そういうことがいわゆるその病気からくるストレスがなかったというか、そういう点では助かったんじゃないかと思っています。