NPO法人 IBDネットワーク

このサイトは潰瘍性大腸炎とクローン病の患者会の全国組織である、NPO法人IBDネットワークがNPO法人健康と病いの語りディペックスジャパンの許可を得て作成したものです

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潰瘍性大腸炎の語り

KT10 プロフィール

診断時33歳、インタビュー時45歳(2015年6月)関東地方在住
3年間内科治療を続けたが寛解に至らず全摘手術を行ったが、術後の経過が悪く長い間苦しんだ。ようやく手術したのとは別の病院でメンタル面も含めて適切な処置をしてもらえて、今では普通の社会生活が送れるようになった。家族は母親と二人暮らし。

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Q:勤める時にはご自分の病気のことはお話しされましたか。
 していないですね。その時の年齢が私は39だったので、39で社会復帰するというのも、やっぱり30代が全部入退院・手術の繰り返しで社会生活が送れていなかったので、結構履歴書に書く時にブランクがあるので(笑)突っ込まれるかなとは思ったんですけど、幸か不幸か突っ込まれなかったので、あえて自分から言うこともないかなと思って入る時は言わなかったです。
Q:今もお話しされていないのですか。
 話をせざるを得なくなったきっかけというのが、私がこの病気を体験したことを通して絵本を書いたんですよね。その絵本が出たことによって会社にはバレるというか、話さざるを得ない状況になったんですけど、まあ環境が薬局なので、やっぱり医療従事者さんなので皆さんすごく理解をしてくださって、むしろ働きやすくなりました。
Q:最初の就職の時に病気のことを話すと就職しづらいかなというのは、やっぱりありましたか。
 ありましたね。年齢も年齢だったんですよね。39だったというのもあるんですけど、やっぱり仕事を辞めてからそこまでの年数が長いので、「じゃあこのブランクは?」っていうところもあったので、あまりこういう手術をいっぱいしてきたとか言うと、やはり「また何かあったら」と先方に思われてもマズイなとも思ったし。主治医の先生は「言っておいたほうがいいんじゃない?」とは仰っていましたけれど、でもまあ普通に食事もとれるようになっていたのであえて、まあ聞かれれば、そのブランクのことを聞かれてしまえば正直に話すつもりはあったんですけど、聞かれなかったので話さないで終わってしまった。

KT-6 プロフィール

診断時:10歳 インタビュー時:14歳 中学3年生(2012年4月)関東地方在住。内科治療を色々試したが、どれも効果がなく中学1年の時に大腸全摘の手術を行った。手術をして良かったと思っている。また、自分の体験を多くの同じ病気の人に知ってもらいたいとも思っている。今は、母と犬2匹と暮らしている。

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 もう潰瘍性大腸炎になってから、最初は隣に居る病気君だと思ってたんですね。で、手術をしてからは、もうこの子とはひどくはなんないけどある程度、完治とは言ってもらえないけど、大丈夫になったから、もう自分の中の一部になってるんですね、病気君が。受験をするのにも、生活するのにも、何をするのにも、一応は私は一応病気をもっているんだということを頭に入れながら高校を選ぶのも、私、こうこうこういう病気を持ってるんですけど大丈夫ですか、受け入れてくれますか。どういう対応をして下さるんですか。相手の学校に、ずーと、私潰瘍性大腸炎なんですけど本当に大丈夫ですか、どういう対応をして下さるんですかっていうのをずーと質問してます、毎回。
Q:学校側はそれに対してどういう反応をしましたか。
 公立では、「あ、そうなんですか」受け流したわけではないと思うんですけど、あちょっと反応が軽いんじゃないかな。もう少しだけ真剣に、ちょっとだけでも考えてほしかったな。でもある程度の対応は、できるだけの対応はしますよと言ってくれてるんですけど、やっぱり私立とかと比べちゃうと、私立の場合もともと色々な設備を備えているから、ストマトイレがありますよって言われたり、「病気持ってるんですけどどうしたらいいですか」って言ったら、「単位だったらちょっと日付を変えたり、夏休みの時に来てもらって勉強したりすればいいだけですから、別にこちらとしてはそんなに深刻な問題とは考えなくて大丈夫ですよ」

KT-6 プロフィール

診断時:10歳 インタビュー時:14歳 中学3年生(2012年4月)関東地方在住。内科治療を色々試したが、どれも効果がなく中学1年の時に大腸全摘の手術を行った。手術をして良かったと思っている。また、自分の体験を多くの同じ病気の人に知ってもらいたいとも思っている。今は、母と犬2匹と暮らしている。

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 一人の女の子から他の男子に「この子はこういう病気なんだって」って伝わっちゃって、その後帰りにいつも挨拶されないのに「元気でね」って言われたり、ひどかったのは、たまたまちょっと体調が悪かったのかわかんないんですが、ちょっと元気がなかった時に、多分その彼的にはそんなに悪い心で言ったわけではないんだけど、「もうすぐ亡くなられるんですか」って言って「もう余命宣告されているんですか」って言われた時には、ああ変に伝わっちゃたんだと思って、そこはもう少し私が掘り下げて話した方がよかったのかなとか、ああ伝えなかった方がよかったのかな、っていってちょっと傷つきましたね。
 でも彼には、大丈夫だよ、余命宣告されてないからって言って笑顔でかわしたんですけど、んーんその知ってる子に言った時には「大丈夫なの?」って言われて、彼女は本心気付いたんだなと思いながら、ちゃんと伝える時は全員に伝えた方がいいのかなっていうのも思いました。掘り下げて話さないと余命宣告されるような、される人もいるかもしれないけれど、されるような病気では主にないのに、余命宣告、お医者さんにもされてないのにまさかクラスメイトから言われるとは思いませんでした。

KT-6 プロフィール

診断時:10歳 インタビュー時:14歳 中学3年生(2012年4月)関東地方在住。内科治療を色々試したが、どれも効果がなく中学1年の時に大腸全摘の手術を行った。手術をして良かったと思っている。また、自分の体験を多くの同じ病気の人に知ってもらいたいとも思っている。今は、母と犬2匹と暮らしている。

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 今は普通の学校に行っていますが、それまでの間は院内学級系列の学校に行っていたので、みんなやはり心の病気だとか、体の病気だとかっていうのがあったので、できるだけ病名はみんなそろって聞きあいっこはせず、ああ大変だね、っていう感じでしたが、ストマの時だけはちょくちょく捨てに行かなきゃいけないので、行っていると、小中一貫だったので、小学生の子からは、何であの人は何回もおトイレに行くの、あなたは何でこんなにいっぱい行くのって聞かれた時は、ついつい何て言えばいいんだろうと思って戸惑いはありましたね。
 やはり先生に承諾を得てからお手洗いに行くっていう形じゃないとやはりだめなので、その時に、わあ言いたくない、言いたくないけど言わなきゃいけない、言わないと溜まってもれちゃうよ、っていうのがあって、そのことを保健の先生に相談したら、カードを作ってくれて、このカードを見せた時は、私はトイレに行ってくるから授業を進めといていいですよっていう合図にしようって言って提案してくれたのはとても助かりましたし、まあ院内学級系列っていうのもあって、ストマトイレが学校にあったというのがとても私としては助かったなというのがあります。

KT-6 プロフィール

診断時:10歳 インタビュー時:14歳 中学3年生(2012年4月)関東地方在住。内科治療を色々試したが、どれも効果がなく中学1年の時に大腸全摘の手術を行った。手術をして良かったと思っている。また、自分の体験を多くの同じ病気の人に知ってもらいたいとも思っている。今は、母と犬2匹と暮らしている。

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Q:お友達に自分の病気のことを話すっていうのはなかなか難しいと思うのですが、相手によって理解してくれる場合もあるし、今おっしゃったように腫れ物に触るような形になることもあると思うんですけれど、今までそういうお話をして、聞いてもらって良かったなっていうことはありますか。
 聞いてもらって良かったなっていうのは、腫れ物扱いされるかもしれないし、納得してくれる子もいますが、一人に伝えたということでそこから広がってくれればなって、無理な話、想像だけど、そう思うと言ってよかったのかなって、必ず思いますね。今もう普通の学校に戻りましたし、まだ転校の理由だとかそういうのは言っていないのですが、いずれみなさんに言う機会があればクラスの方には伝えようかな、言おうかな、っていうのは思っています。
Q:なかなか難しいですよね、言うタイミングっていうのも。でもこういうインタビューも受けていただいたんですが、ご自分がこういう病気だったんだよ、手術をしたんだよということを公表することに不安というか、やだな、はずかしいとかそういう気持ちはあまりないですか。
 いえ、はっきり言ってありました。(病気に)なって(病名を)聞いてからは、小学校4,5,6年生、(中学)1年生も入ってたかな、絶対にこの病気の名前は言わないし、どういう症状でどんなことがあったかも絶対に言わないっていうのを決めていたし、やはりあのおばあちゃんとかおじいちゃんとか、そういう方も、心配して電話をかけてきて、それを母親や父親が説明しているのを聞くと、本当にいらっとしたし、私はそんなひどい病気じゃないって言って必ず否定をしていましたし。なので、昔の自分からすると、今こうやってインタビューに答えてたりだとか、友達に言おうと、伝えようとするとか、そういうのを昔の自分からすればすごいことだなって思えるのかなっていうぐらい、はい。私は潰瘍性大腸炎です。だから?みたいな、本当にそんな気分で、できるだけ多くの人に今は頑張って伝えなきゃなと思っています。

KT-5 プロフィール

 

診断時19歳、インタビュー時35歳(2012年3月) 関東地方在住。大学に入学した頃発病して内科治療を続けながら司法試験に挑戦し、苦労しながらも弁護士になった。その後も再燃、寛解を繰り返し、薬もだんだん効かなくなってきた時手術も検討したが、最近はなんとか寛解状態が続いている。独身の一人暮らし。

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 入社試験はありませんが司法試験というのがありましてね、弁護士なので、あれはこの病気には非常によくないと思いましたね。やっぱり、確かにそんなに頭がいいわけでもありませんのでなかなか試験が難しくて、プレッシャーもひどいもんでして、試験の時のプレッシャーはひどいもんでして、最後に受かった年の司法試験もトイレに駆け込みながらいってる形だったので本当に苦労はしましたね、
 試験においても。やっぱりストレスが一番よくないということなので、と言われましてもストレスを感じるなというほうが無理な試験でして、しょうがない、そこはもう仕方がないと、だからといってこの試験あきらめて、他の仕事に就くのは自分としてはいやでしたので、もうどうなってもいいやと、半分諦めながらもがむしゃらにやってたことはありあます。