NPO法人 IBDネットワーク

このサイトは潰瘍性大腸炎とクローン病の患者会の全国組織である、NPO法人IBDネットワークがNPO法人健康と病いの語りディペックスジャパンの許可を得て作成したものです

トップ

潰瘍性大腸炎の語り

KT11 プロフィール

診断時23歳、インタビュー時30歳(2015年12月)関東地方在住
専門医にかかり標準的治療は殆ど行ったが寛解に至らず、主治医からは手術も勧められているが、自分で納得ができず手術はしていない。最近始めた臨床試験で青黛という漢方が効いているようで現在は寛解を維持している。家族は父、母、祖母。

この人のプロフィールに戻る



Q:例えばお友達との関係の中で、あなたが病気したことによって友達関係に何か変化とか出たりとかしましたか。
 友達には、この病気のことは言わないようにしています。というのも、やはり20代で潰瘍性大腸炎っていう病名を友達に言うと、やっぱり向こうもすごくこう壁をつくっちゃうというか、悪気はないんだろうけども、多分何て言っていいか分からなかったりだとかしちゃうのかなっていう感じがするので、やっぱり気を使わせたくないというふうに思うので、友達には言わず、病気であっても普通の元気な自分もあるので、友達にはもう普通の元気な自分のところだけで付き合うようにして、病気の悩みだとかは同年代の友達には言わないようにしています。
Q:お友達にはやっぱりちょっと言いづらいというのは何か気持ちとしてはすごく個人的には分かるなって思う反面、こう何というんですかね、やっぱり何か話したくなる時みたいなのってありませんか。
 もちろん1人で抱えているとすごく孤独になってくるので、話したくなるときというのは、患者会だとかで話すようにしています。

KT10 プロフィール

診断時33歳、インタビュー時45歳(2015年6月)関東地方在住
3年間内科治療を続けたが寛解に至らず全摘手術を行ったが、術後の経過が悪く長い間苦しんだ。ようやく手術したのとは別の病院でメンタル面も含めて適切な処置をしてもらえて、今では普通の社会生活が送れるようになった。家族は母親と二人暮らし。

この人のプロフィールに戻る



Q:ご家族だけじゃなくてお友達とか何か周りの人も、今出てきた職場の状況とご家族だけだったんですか?ご友人との関係とかっていうのは。
 友人は全部私の病気のことをみんな知っていたので、すごく闘病中も、まあ本当にこれはありがたいなと思ったのが、今はメールとかがありますよね、だから昔と違ってやり取りがダイレクトにすぐツーカーでできるので、闘病中も頻繁に友達からはメールとかも来て励ましてもらったりはしていましたね。だから逆に寂しいとかそういうことはなくいられたなというのはありました。
Q:お友達とか周りの方から言われてすごく励みになったり、うれしかったり、支えになったりしたことはどんなことがありますか。
 やっぱり友達が元気になることを信じていつも待っていてくれてたっていうのとか、あと私はちょっと長かったので、毎年毎年お正月がきて何か皆さん祈願に行かれたりしますよね。その時に必ず友達は私のことを祈願してくれてお守りを送ってきてくれたりとか、「自分のために頑張れないんだったら私たちのために頑張ってよ」じゃないけど、そういうメッセージをくれたりとか、本当に恵まれていたなと思います。なのに私は、つらすぎて死にたかったり、頑張ろうという気がなかった人間だったので、すごい恥ずかしいというか、だから今生かされたのは,懺悔のために生かされたんじゃないかって思っているというか、残りの人生はやっぱりそういう人たちのためにも心して生きなきゃいけないなとは思っています。

KT-3 プロフィール

 

診断時31歳、インタビュー時50歳(2012年3月)関東地方在住。長年にわたる内科治療と数回の入院のあと手術をし、現在は元気に小学校の教員をしている。家族構成は夫と娘、息子、夫の両親の6人家族

この人のプロフィールに戻る


 臨時適用職員として職場に戻って4年目に本採用の試験を一応受けて、たまたま通ったんですけれど、その時も、今度はもうちょっと健康診断はかなり重要なもので、神奈川県では月に1回、県の審査っていうのがあってそれに通らないと採用には多分ならなかったと思うんですが、それもまあ、嘘を書くわけにはいかないので、病名を書いて、やはり医師のコメントを書くようなところがあったと思うんですけれども、そこに仕事をするにあたっては差し障りがないというみたいなことを書いていただけたんで問題なく通りました。
 仕事を始めて困ることっていうのはあまりないんですが、一番最初に遠足の引率というのがあって、ちょっと心配だったんですね。なかなかトイレに行くっていっても、トイレがないわけじゃないんですが、トイレに行くって言っても自由に行けるわけじゃないんで、どうかなって、途中でトイレに行きたくなったら困るなって思ったんですけれど、緊張してたせいか、戻ってくるまで一度もトイレに行かずに何とかクリアーすることができて、ああ意外に大丈夫かななんていうふうに思ってたんですね。その後も遠足だったり修学旅行だったりいろいろあるんですけど、まあ何かかんか、トイレが一番心配なんですね、それ以外のことは全然今心配することは全くないです。

KT-2 プロフィール

診断時56歳、インタビュー時61歳(2012年2月)関東地方在住。2007年に潰瘍性大腸炎と診断され、内科治療のあと手術。術後しばらくは大変だったが、現在は大変元気で障害者の働く、ふれあい喫茶で店長をしている。息子と夫婦と3人暮らし。

この人のプロフィールに戻る


Q:今は仕事をまたされているとのことですが、その仕事に何か影響があるとか差し障りがあるということはもうないんですか。
 今の仕事は3年前からしていますが、その前の仕事は完全にもう諦めまして、辞めようという感じで諦めたところにたまたま今の仕事の募集を知りまして、受けました。その時は病気のことはあえて、隠すつもりはなかったんですが、必要ないと思いまして、言わないで入社しました、
 今の仕事ですね。でもそのうちに、今はもう話しました。というのは全然支障がないからです。今の仕事をしていて他の人よりも誰よりも多分一番元気だと思うんです、自分で。みんなからも一番元気って言われてますので、今の仕事はまったく差し障りがありません。ただ、トイレの回数は1日今は下痢が10回前後はあるんですが、そこは自由にトイレに行ける状況なので、それは心配ないです。あと、お店がすごく忙しいときは全然トイレに4時間も5時間もいかなくてもすむんですね。ですから全然大丈夫です。
Q:そうすると最初は病気のことはおっしゃらずに採用されて仕事を始めたんだけれど、今は公表されているということなんですけれど、最初の段階で特にトイレの回数が多いとかいうことで困ったりということはありませんでしたか。
 最初からそれは全然ありませんでした。トイレも自由にすぐ行ける状況のところですので仕事場が、それは大丈夫です。

KS-4 プロフィール

診断時:21歳 インタビュー時:31歳(2012年4月)関西地方在住。現在、常勤の高校教師。大腸の全摘手術経験者。下痢が半年間続いたため、病院受診、検査ですぐに潰瘍性大腸炎と診断される。ステロイドで回復するも、止めると再発し、これを繰り返す。将来も考えて、手術を決断。術後の経過は、他の手術経験者と比較してもかなり順調な経過をたどり、その後、希望であった教師の職に就く。

この人のプロフィールに戻る


 面接の時など、(病気のことは)私は一切言いませんでした。正しいやり方かどうかはわかりませんが、就職が決まってから、実はこのような病気であるということを言うようにしていました。私の職業はちょっと特別で、教師ですので、生徒の中にも同じような病気をもっている子がいたりして、そういった意味で、そのような子たちのサポートにもなると思いましたので、就職が決まってからは生徒にも職場の仲間にもオープンにしています。やはり病気を出してしまいますと採用に支障があるかなと思いましたので、病気のことは伏せて、就職の面接には臨んでいたと思います。
Q:職場で病気のことをオープンにされて、プラスマイナスを含めて何かありましたか。
 まず生徒の中に同じ病気の人がいたので、その子のことでよく相談を受けたりとか、病気をもっている子は潰瘍性大腸炎にかかわらず他にたくさんいますので、そういった子たちの気持ちがすごくよくわかるということがありましたので、何か病気のことで困った時は自分も交えていろんな会議があったりとかするようになりましたので、私の職業にとっては、そんなにマイナスにはなっていないと思います。